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英語版HPをつくる時にやってはいけないこと 。

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どーも。今も昔もサンティです。

今日は、海外用Webサイトをつくる時に、「言語」に関係して気をつけて欲しいことを話します。海外用 Webサイトと一言で言っても、ターゲットとなる地域によって使う言語は異なってきます。しかし、今日はみなさんが一番使う可能性の高い、「英語」に焦点を絞って話を進めていきたいと思います。

海外用Webサイトを作る方法

英語で新しくホームページを作ることになった場合、大きく分けて次の2つのアプローチが考えられます。

1.今使っている日本語サイトがあれば、それを英語に翻訳する

2.英語専用のページを一から作る

ただし、日本語のWebサイトをまだ持っていない企業・人が、いきなり英語のサイトからつくるというのは稀なケースでしょう。ほとんどの場合は、程度の差はあれ、今持っている日本語のサイトを活用して英語版のページを作るというのが自然な選択だと考えます。

だって〜、今のサイトは気にいってるし〜。伝えたいことは全部書いてあるし〜。あとは、それをどこかの翻訳家に翻訳してもらえばいいだけだし〜。

このように考えるのが普通ですよね。時間やコストの面から考えても、既存の日本語ページを翻訳するのがベストチョイスかと思われます。

2346964_e76c8dfc50_b(ここであえて、議論のどんでん返しを行うのに、日本語の「しかし」ではなく英語の”But”を、しかもわざわざ画像にして堂々と使う。こうすることで、意外性を演出し読者の注意を引きつけながら、これから来る主張のインパクトを先取りする。同時に、あえて英語を使うことが、このブログのテーマと主張の間に完全なる調和を達成してしまう。しかし、このタイミングで”But”を使うことにはさらに重要な理由が、他のすべてをさし置いてダントツ重要な理由が1つある。英語を使った方がなんとなくカッコいい。Image by Paul Downey

僕は、あえて1のアプローチに反論します。日本語のサイトをそのまま英語に翻訳することはオススメできません。日本語と英語は、それぞれ違う表現スタイルや世界観を土台にしているからです。

詳しく見ていきましょう。

英語と日本語とでは、「文法の文化」が違う

794427756_4453538f4c_oImage by Kevin Dooley

初めに断っておくと、「文法の文化」というのは僕の考えた言葉ではなく、言語の専門家である鈴木武生氏が↓の記事で使っている言葉です。
英語と日本語は「文法の文化」が異なる(上)
英語と日本語は「文法の文化」が異なる(下)

少し長いですが、英語と日本語の違いについてものすごく勉強になる記事です! ここでは簡単にポイントだけを紹介しますが、興味のある方はぜひ直接目を通してみてください。

記事の内容をめちゃくちゃ大雑把にまとめれば、英語と日本語とでは文型(文の作り方)が根本的に異なるため、文章の中で「必須情報」としてあつかわれるものに差がある、というものになります。

みなさんもご存知の通り、日本語はS(誰が)O(何を)V(した)言語であるのに対して、英語はS(誰が)V(した)O(何を)言語です。物事を伝える順序が違います。さらに、日本語には主語を省略できるという無料オプションも付いてきます。だから、日本語では次のような表現ができるわけです。

「昨日9時くらいに、家で一人でテレビ見てたんよ。そしたら…」

この文章を順番も変えずに、そっくりそのまま英語に翻訳したらどうなると思いますか? きっと、たった今オクスフォードで午後の紅茶を飲もうとしてるジェシー※想像上の人物ですですら、紅茶を吹き出して「一体誰が何をしたって???」と問いただすことでしょう。

さて、このような文型の違いは、表現の仕方(スタイル)にまで影響を及ぼしてきます。英語の場合は、SVOがめちゃくちゃ仲良しです。それぞれできるだけ近くに、できるだけ分かりやすい繋がり方で登場したいわけです。だから、英語の場合は「誰が何をしたのか」ということがはっきり示されている文章が好まれます。

逆に日本語のSOVは崩壊寸前の家族だと思ってください。OとVはたまに顔を合わせて会話もしますが、あまりお互いを必要としていません。Sにいたっては、仕事終わりはいつも飲み会でほとんど家に帰ってきません。だから、日本語では主語の出てこない「匿名」の文や、「買ってこようか?」といった動詞1つで成り立つ文が作れちゃうんです。

このように、英語と日本語は同じことを表現する時にも、全く違うスタイルでやる必要があります。そのため、一方のスタイルにつられたまま、もう一方の言語に翻訳してしまうと、どうしても不自然な文章になってしまいます。翻訳本を読むときに感じるやつですね。

ここまで話してきた表現のスタイルの違いが原因で、翻訳という作業は昔から、「直訳」か「意訳」かという対立関係にさらされてきました。直訳しすぎると、不自然な文になってしまう。逆に意訳しすぎてしまうと、もともとの意味が少し変わってしまう。結局、日本語をそっくりそのまま英語に翻訳するというのは不可能なことなんです!

言語が変われば、表現の内容も変わる

4134661224_b8434c2c8c_oImage by Francesco

ここまで話してきたのは、どちらかというと文法的な話、ある内容を「どう伝えるか」についての話です。この問題には、翻訳家の質が上がれば、完全には無理でも、ある程度までは対処できるでしょう。

しかし、日本語と英語の間には、もっともっと根本的な問題が横たわっています。言葉というのは単なる情報伝達に終わるものではなく、それ自体が1つの価値観や世界観に支えられたものです。だから、言語が変われば「どう伝えるか」の部分だけでなく、「何を伝えるか」の部分も変わってしまいます。

分かりやすい例を1つ挙げましょう。例えば日本とアメリカでは、何かの不正や問題が発覚した時、企業の対応(応答)の仕方に違いがあります。

日本の場合、何か問題があった時には、とにかくまず謝罪することが要求されます。世間に迷惑をかけたこと、お騒がせしたことに対して謝罪し、誠意を見せることが優先課題です。説明はその後にきます。

逆にアメリカでは、問題の原因とその解決策に関しての説明がまず要求されます。謝罪もいいけど、その問題はなぜ起きたのか、どう対処するのか、そしてどう再発を防ぐのかということに関して説明しないと納得してもらえません。

このような違いが原因で、例えば日本の企業がアメリカで謝罪会見を開いた時に、「謝罪ばかりで説明が全くない」というような批判が出てしまうわけです。その逆の場合も同じでしょう。要は、「伝えるべき」だと考えられていることを伝えていないことが問題になっていると言えます。

この例が示すように、言語が変われば、根っこの部分は同じようなことを言おうとしていても、それを表現する角度は変わります。例え同じものごとを描写しようとしていても、それを「どうやる」かは同じではありません。

このことは、海外版HPを作るときには特に意識する必要があります。もしかしたら、あなたの日本語ページの商品説明や会長の挨拶などをどんなにきれいに翻訳しても、伝わらなかったり、冗長だと思われたりする可能性があるわけですから。言語が変われば、何をどう表現するかに気をつかう必要があるんです!

まとめ

以上、僕が日本語Webサイトをそのまま英語に翻訳することに反対する理由を述べてきました。

最後に簡単にまとめてみると、言語(この場合は日本語と英語)が変われば、「どう伝えるか」という表現のスタイルと、「何を伝えるか」という表現の中身自体が変わります。だから、日本語の文章をそのまま英語の文章に翻訳しても、同じように「伝わる」文章ができるとは限りません。

英語には、“Lost in translation” という表現があります。直訳すると「翻訳によって失われる」になりますが、意味は「翻訳が原因で元の意味がわからなくなってしまうこと」といったところです。この言い回しは、今日僕が話してきた内容を一言で表現していると思います。言語はそれぞれ異なる根っこに支えられていて、お互いを簡単に行き来することはできません。だから、翻訳という形で移動が試みられると、途中で何かが失われちゃうんです。

じゃあどうすればいいのかといえば、僕は初めにあげた2つ目のアプローチを取ることをオススメします。英語版のHPをつくるのであれば、自分が伝えたいコアメッセージだけを明確化しておいて、表現は一から作り上げていくやり方です。

もちろん、日本語のHPがすでにある場合は、それを完全に無視しろと言っているわけではありません。そこから「伝えたいこと」だけを取り出しながらも、日本語の具体的な表現に「つられない」ように、一から英語ページを作り上げていけばいいわけです。

もし今日のブログを読んで、このやり方で海外用Webサイトを作りたい! と考え始めた方がいれば…

僕がお手伝いします!!

P.S. 途中、中学校の英語の授業みたいになってしまいましたが、なんとか我を取り戻しました。昔から文法が大嫌いな僕が、いつかこんな話をすることになるとは思ってもいませんでした…

Featured image by Ruth Hartnup

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